同じ時間を生きてる

外は茹だる暑さ、もちろん誰にも会わない夏休み、クーラーを効かせた自室で私がうたプリを全話連続視聴している同じ時間に誰かはエヴァのBL絵を描いたり初めてできた彼氏とデートしたり飛び降り自殺をしたり運転免許を取得したり人を殺したりしていたんだろうな というタイプの思考を昔(それこそうたプリを連続視聴していたような年頃の時)はよくしていた 自分が因数分解を勉強していたある日には誰かは学校を辞めたり、就職が決まったり、祖母が死んだり、課題の提出を忘れたりしてる 同じ時間を生きてる その事実に感傷的になっていた でも今はもうそのことについて思考を巡らせないの 夜の間学校の教室は大量の椅子と机が並んでいて誰もいないということが世界中で起こっていること いま食べたパンが私が目覚める時刻に集荷されたこと そういうことをいちいち考えていた 私が真昼ベッドで天井を見つめている間きっと昇降口はがらんとして私の席にはプリントが無造作に詰められる